せとブログ

学んだことを忘れない

PMP取得への道

お久しぶりです

いろいろあってサボっておりましたが再開したいと思います。

サボっている間にPMPなるものを取得しました。日本の団体がホストしてない資格試験ということもありあんまりいい日本語の情報がなかったのでここでまとめておきたいと思います。

忙しい人のためのPMP受験

最初にまとめておくと、アンドリュー先生しか勝たん、です。下記2つのオンライン講座で私は受かりました。セール価格で合わせて2000円+8000円くらいでした。

以下、受験までの長い道のりを紹介します。

そもそもPMPとは?

PMPとは、Project Manager ProfessionalというProject Management Institute (PMI)という組織が主管する国際的なプロジェクトマネジメントの認定資格です。外資系の会社だとPM系の仕事をするときとか昇進する時とかに要件になってたりします。なぜ君は受けたのか、という話ですが、いろいろ(悲しい)事情があり取ることにしたというのが正直なところです。

私のケースだと35時間講習から試験まででだいたい1.5ヶ月くらいかかりました。通常業務やプライベートがかなり暇だったのでこのスケジュールでいけましたが、多分忙しい場合だと3-4ヶ月くらいはかかるのかなぁと思ったりします。とはいえ、勉強したことを忘れてしまうので、短期間で攻めたかったという事情もあり、タイトなスケジュールで詰め込みました。

PMPの条件は結構厳しい

よしじゃあPMPを取ろう!試験受けよう!と思っても、意外と受験条件が厳しいです。

  • 一定時間以上の実務経験
  • 35時間の講習受講

この一定時間以上の実務経験がネックじゃないかなぁと思います。直近8年以内で、合計4500時間(大卒の場合、たまに院卒だともっと短いとかいう話もありますがウソです)もしくは7500時間(高卒の場合)のPM経験があることが条件になります。PM経験といっても実際にPMという肩書で仕事をしていなくてもOKです。PMっぽいことをしてたらクレームできます。まぁリーダー業って結構PM業も兼ねてることが多いと思うので、そういうのでクレームすればOKです。

まずは35時間の講習を受ける

最初にしないといけないのは35時間の講習を受けることです。これは調べたり受かった人の話を聞いたりしてみると、対面の講座形式でやってくれるものがあるみたいなのですが、とんでもない額のお金がかかる(10万とか)と聞いて、うーんと思ってたんですがUdemyで講座があることを知りそれを受講しました。

PMP Certification Exam Prep Course 35 PDU Contact Hours/PDU | Udemy

界隈では有名?らしいアンドリュー先生です。実際、アンドリュー先生、めちゃめちゃよかったです。この人のマインドセットというか、考え方、立ちふるまいからは、PMP取得に限らずPMのあるべき姿みたいなものを学ばせていただきました。

Udemyは結構頻繁にセールをやっているようで、通常結構なお値段がする(失念)ところをとんでもない割引率で提供してくれていたりします。私も運良くセールに出くわして、2000円くらい(!)で購入することができました。

上記の講座は全編英語です。しかしアンドリュー先生、ゆっくりしゃべってくれるのと、自動翻訳の字幕がつくのでそこまで苦労しませんでした。ただ明らかに字幕がおかしい時はたびたびあり、頭がこんがらがるので、そういう時は原文の英語字幕を確認して理解したり、字幕オフにして直接聞いて理解したりしました。

あとこれ、35時間では終わらないです。メモ取ったり途中のテストを受けたりして、私は終えるまで延べ3週間くらいかかりました。休日とかも文字通り全部つぶしてこれなので、普通のペースだと1-2ヶ月くらいはかかるんじゃないかなと思います。

この講座の内容が試験に直接出てくることはないです。ただ一方で、基礎知識としてやっぱり必要にはなるので、ちゃんと理解する必要があります。

PMIでアカウントを作り試験を申し込む

35時間の講習が終わったら、次は試験の申込みをします。これは人によりますが、後ろ(試験日)を決めたほうが気合を入れて勉強できる気がするので、先に申し込んでしまうのをおすすめします。

まずはPMIでアカウントを作る必要があります。で、アカウントに対して必要な情報を全部入れないと試験の申し込みがエラーで進められないので(確か学歴だった気がする)、まずは全部情報を入れてしまいます。この辺は上記のアンドリュー先生の講座でも教えてくれるのでそちらを参照してください。

で、次の関門が実務経験の入力になると思います。これ、英語でいれる必要があります。英語自体は外資系の会社に勤めてる方であれば特に問題にはならないレベルかなと思いますが、中身が問題です。これもアンドリュー先生が詳細に教えてくれてます。それを参考にしつつ、加筆・削除をして作ればできると思います。

大切なのが、PMBOKで定義されるプロセスを踏んでPMやったよ!というのを示すこと。つまりPMBOK用語を使うってことですね。WBSとか、各種PM Planの定義とか、Risk responseとか、Conflict managementとかそういう感じの用語を使いつつ、定義されたプロセスを踏んでやってんだぞというのをアピります。

ちなみにアンドリュー先生は文章でI defined...とかって長ったらしく書いてましたが(上の講座でサンプルもゲットできます)どうにも読みづらいので、私の場合は主語を削除して(I defined... -> Defined ....みたいな)箇条書きで提出しましたが、Declineされなかったので問題なさそうです。

円安を恨む試験費用

試験費用はめっちゃ高いです。遊びで取る資格じゃないですね。

PMIの会員になるかどうかで費用が変わります。1ドル=155円で計算してみましょう(下記の費用は2024年5月8日現在です)。

  • PMI会員費用: $139.00/year = 21,545円/year
  • PMP受験費用: $405.00 = 62,775円 (PMI会員の場合)
  • PMP受験費用: $575.00 = 89,125円  (PMI非会員の場合)

たっか!!ということで、会員になった方が安くなるという仕組みです(今後年会費は取られるけど)。会員になるとPMBOKがただで見れたりその他いろんな特典があるらしいんですが、正直よくわかってないです。それでも、私は一応会員になることにしました。

あとはLocal chapterといって日本支部に参加するか?みたいなことも聞かれます。PMの輪を広げるにはこれいいんでしょうけどちょっとよくわからなかったので受験の段階では参加してないです。参加すると、PMBOK日本語訳版とかが手に入る模様です。

監査があるらしい

怯えていたのが監査です。どうも試験申込み者の10%に対して監査があるらしく、監査対象になった場合はすべての経歴について証拠を出す必要があります。つまり、卒業証明書、関わったプロジェクトのSponsorからのEndorsementを得る必要があるということですね。私は台湾で試験の準備をしていたので、もし監査対象になったら日本に帰って(もしくは膨大な手間とともに台湾から)それらの書類をゲットしないといけません。卒業証明書とか地獄…と思ってたのですが、ラッキーなことに対象にはなりませんでした。試験申し込みをしてから1時間以内くらいに対象者になった場合メールを受け取るようです。

君たちはどう受けるか

コロナ以前はすべてテストセンター(かの有名なピアソンVUE)での試験だったようですが、今はオンラインでも受けることができます。ただ、私の場合家だと集中できないのと、いろいろチートしてないか確認を受ける必要があるらしく、だる…と思ったのでテストセンターで受けることにしました。東京だと今は西新宿のテストセンターしかないと思いますが、そこで受けました。

www.pearsonvue.co.jp

PMPの試験はめちゃめちゃ長丁場で、4時間とかかかります(75分x3の試験時間+10分x2の休憩時間)。途中でお腹減るのもやだなーと思って、朝一番(8時開始、7時半集合)の試験で受けることにしました。ちなみに土日はやってないので平日行く必要があります。一時帰国したときに行きました。

あ、オンラインで受けることができることからも明らかなように、この試験、PCで受けます。選択肢から正しいと思うものを選んでいくスタイルです。

模擬試験で傾向と対策

試験のために私がやったのは下記です。

  • 35時間講座の小テストそれぞれで100%のスコアを叩き出すまで振り返り
  • 35時間講座内の模擬試験を2巡する
  • PMP Simulatorを当日のスケジュールと同じスケジュールで受けて振り返り

アンドリュー先生の35時間講座がいい理由の一つは、講座にテストがついていて、しかも何回もやり直しができるところです。模擬試験も1回分ついているのでこれも助かりました。それが終わったあとは、すっかりアンドリュー教信者だったのでアンドリュー先生の模擬試験を購入しました。8000円くらいだったかなと思います。2回分の模擬試験(つまり360問)がついていて、その問題すべてに映像で解説がついていて、60日間アクセスできます。これ結構すごいと思います。

ただし全部英語です。めちゃめちゃ難しい英語ではないので問題なく勉強自体は進められるかなと思いますが、試験は日本語で受けようと思っていたので、振り返りの際には問題を機械翻訳して字面で回答を引っ張られないように、内容を理解することに重点をおいて進めていました。

PMP Simulatorは3巡くらいしたと思います。実際に朝8時から試験をやって、午後は振り返り…みたいなのを3週間くらいやったと思います。試験直前は日本に帰国していたので、朝7時からやってるスタバで模擬試験を行い(10分休憩も含む)、振り返りをして午後イチくらいに退店するみたいなのをやりました。ありがとうスタバ。

模擬試験のスコアも60% -> 80% -> 95%って感じで上がっていきました。あと、やってるとだいたいこれかなーというのがわかってくるのですが、どうしてもなぜこれが正解なのか?と意味がわからない問題が出てきます。そうなってきた時はアンドリュー先生の動画でどうしてそれを選ぶのか?というのを振り返りしてました。これがかなりよかったです。

試験自体は、各セッション60問で75分が設定されていますが、私がやった感じ、だいたい60分くらいで終えることができます。15分は見直しの時間に使えそうです。

いざピアソンVUE

早朝の試験だったので、2週間くらい前から6時起き、7時15分には家を出る、みたいな生活に変えて体を慣らすようにしていました。PMP試験は3パートに分かれるのですが、やっぱり最後の方は集中できない時間帯ができたりと、結構ハードです。なので体を慣らすことは大事だなーと思います。試験の前日には実際の時間に会場に行ってみたりもしました。電車が結構混んでるなーとか、実際の道順ってどうだっけ?というのを確認できました。これもアンドリュー先生の教えです。

当日はパスポートが必須です(他の身分証明でもいいみたいですが、サインを確認するのでこれが一番楽)。あと会場が寒い場合があるので何か羽織るものを持っていくのがいいかと思います。会場自体はパーティションで区切られたデスクで試験を受け、それを外から監視される感じです。10分間の休憩中は試験部屋から出ることができますが、いつまで休憩時間か教えてくれないので自分で時間を見ておく必要があります(でも試験会場に時計は持ち込めないので、出た瞬間に壁掛け時計を見て+7分後に戻るとかそういう感じで管理してました)。

時間でいうと、試験用のPCの右上に3セッション合計の時間がカウントダウンされていきます。なので、今のセッションがいつまでなのかわからなくて軽くパニックになります(なりました)。試験が始まったらまずは各セッションの終了時間をメモって(75*3+10*2なので合計245分、最初のセッションは75分引いて170分まで、次のセッションはそこから75分を引いて、85分まで、です)これくらいかと把握した状態で進めるのがよさそうです。

それとテストでは、英語以外の言語で試験を受ける場合は、原文の英語を見ることができるようです。日本語での試験でもちゃんと見れました。日本語の文章は機械翻訳したような感じの文章なので、原文を読んで何を言ってるのかを理解したくなる問題がいくつか出ました。英語で勉強しておくと、こういうことにも応用が効きます。

試験結果は一瞬で出てくる

試験を終えて部屋を出ると小さい文字が印字された紙を一枚もらいます。ここに結果が長文で書かれますが、よくわかりません。よく読むと、とりあえず試験自体はパスしたよ、けどこれはPreliminaryなものだから、追って最終結果は連絡するよ的なことが書いてあります。おそらく、スコア自体は十分取れたけど、例えばカンニングしてないとか、そういうことを確認したうえでFormalな結果を出すよ、というそういうことのようです。部屋を出た瞬間に結果がわかるPMPすげぇな。

翌日PMIのサイト上で結果が見れるようになっていました。結果は合格でよかったよかった状態でした。

(今見たらもうテスト結果の詳細は見れなくなってました。緑色ならOKって感じで、Needs improvement/Below Target/Target/Above Targetの四段階でどこの位置にいるかを示してくれます。Target以上なら合格です。)

コツみたいなのってあるの?

感じたことをいくつか書きます。

マインドセット

PMIが求めるPM像を理解することが最も大事かなと思います。原理原則に則って対処すること。やっとけよスタイルは取らないこと。常に自ら行動すること。この辺を理解することが求められる「正答」にたどり着くために必要になります。これはアンドリュー先生も繰り返しおっしゃってますし、35時間講習の方のマインドセットのセッションで説かれるんですが、問題を繰り返し解いて身につけるのが確実に身につくかなと思います。

なめない

模試で95%取ってても、実際の試験では感覚的に60%は解けたかな…くらいの手応えでした。あとは模試の感じと実際の試験の内容とでは結構違ったので(もちろん似てるものもありましたが)可能な限りいろんな人の作った問題に触れることが大事かなと思います。これもアンドリュー先生が言ってます。

PMBOKは原理原則本

正直試験の前にPMBOKを読破したりはしていません。周りの人でPMPを受けた人の話を聞いたりPMBOKを見たりしても、これは読破してもどうなんだろう…という感じです。辞書のようだと仰ってる方もいらっしゃいました。あれを読むのであれば、アンドリュー先生の講座を聞いてわからないところを自分で調べるというのがいいのかなという感想を持ちました。

 

ということで、PMP取得までのご紹介でした。どんだけ役に立つかわかりませんが、まぁ必要に迫られて取ったものなのでそれはそれでよかったかなと思っています。あとはアジャイルのセッションでサーバントリーダーを学ぶのですが、それが自分の考える理想的なリーダーシップのあり方と完全に一致してたので、そうか、間違いじゃないのか…と気づけてめちゃめちゃよかったです。自信を持って今のスタイルを進めていこうと思っています。